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こんちわ、柿田ぴんとです!
今回は、伊藤計劃のおすすめ作品・書籍ランキング7冊を、高評価レビューも加えてご紹介します!
目次
- 1位. 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍│『ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)』
- 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍レビュー│『ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)』
- 2位. 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍│『虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)』
- 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍レビュー│『虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)』
- 3位. 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍│『The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)』
- 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍レビュー│『The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)』
- 4位. 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍│『屍者の帝国 (河出文庫)』
- 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍レビュー│『屍者の帝国 (河出文庫)』
- 5位. 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍│『メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)』
- 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍レビュー│『メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)』
- 6位. 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍│『伊藤計劃トリビュート (ハヤカワ文庫JA)』
- 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍レビュー│『伊藤計劃トリビュート (ハヤカワ文庫JA)』
- 7位. 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍│『伊藤計劃記録 I (ハヤカワ文庫JA)』
- 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍ランキング│まとめ
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1位. 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍│『ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)』
伊藤計劃のおすすめ作品・書籍レビュー│『ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)』

設定や世界観にやや粗のある部分もありますが、そこは前提とする「フィクション」部分をどこまで許容できるか読み手の匙加減だと思います。
この作品は、人の感情を論理的に紐解く描写に関して、とても丁寧に描かれています。
特に「善の定義」に触れる下りは、そういう定義の立て方もあるのかと驚きました。
多くの人が漠然と感じている感情や意識を言語化するのがとても上手い作者だと思います。
物語のクライマックスが、あまりにも素晴らしく。また、この物語を読み終えた途端に氏の新作がもう二度と読むことができないことを痛いほど実感して、思わず涙が止まりませんでした。
伊藤計劃氏の、ご冥福をお祈りします。

近未来の描写は初めはイメージするのが難しいですが、そこまで難しい用語は多くなく、読み進めるうちに問題なくなります。
また結末に向けての展開はスピード感もあり一気読み、さらにその結末には裏をかかれました。


真綿でしめつけるような、いたわりとやさしさの押し売りに満ちた世界の居心地悪さが、
今の日本を予言しているようだった。
ラストはうむむ、と考え込んでしまったな。
自分自身が、これをハッピーエンドとしてとらえるのかどうか、という意味で。
伊藤計劃のおすすめ作品・書籍『ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)』を読みたい方はこちら↓
2位. 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍│『虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)』
伊藤計劃のおすすめ作品・書籍レビュー│『虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)』

戦争を肌で体感していない世代なのだから、戦争とは何か理解できないのは仕方がないと思っていたが、実は見たいものしか見ていなかっただけで、注意を向ければ戦争はそこらじゅうに広がっていて、残虐な行為が日常となっている現実がそこにはあった。宅配ピザとファストフード店の普遍性の中で生きる私には見えなかった世界をこの本はみせてくれました。

ややミリタリー調の雰囲気を持つ作品なので、その辺で好みは分かれるかもしれません。
しかし、描かれるのは「国語(国が持つ言語)」や「人間としての生死の在処」といった普遍的な題材なので、とても面白いです。
国産SFということもあり、文法が浸透しやすく読みやすいです。

ぜひ読んでほしいです。初めて読んでから10年も経ちますが、読み返す度に新しい発見がある作品です。
この物語の最後の仕掛けはエピローグまで読んで初めてわかる。
主人公のクラヴィスは虐殺器官とジョン・ポールについてアメリカ議会で長く長く証言することになる。
「公聴会の記録にアクセスした人々の、まぶたのない耳に入りこんでいった。」
とあるように、その後はアメリカ全土で内戦が始まる。
読者は物語の外にいるけれど、これが虐殺器官を誘発する文法が含まれていることに気がつく。これが最後の仕掛けです。
なぜ物語るのか、なぜ小説で物語るのか。
そういったことも考えさせられる作品です。

後頭部に血漿の花を咲かす少女。内蔵をこぼす少年。
虐殺器官は器官であり、虐殺の話では無かった。全く残虐性は見つからなかった。
静かな気持ちで読み終えた。アメリカの崩壊がひどく軽かった。
伊藤計劃のおすすめ作品・書籍『虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)』を読みたい方はこちら↓
3位. 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍│『The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)』
伊藤計劃のおすすめ作品・書籍レビュー│『The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)』

見てきたような切実さで、もしや自分の経験じゃあるまいかと疑うくらいのレベルだ、もちろんそんなはずはないけれども。もうこの短編を読んだだけで、なんと惜しい人を失ったかと残念でならない。



伊藤計劃のおすすめ作品・書籍『The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)』を読みたい方はこちら↓
『The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)』を読む
4位. 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍│『屍者の帝国 (河出文庫)』
伊藤計劃のおすすめ作品・書籍レビュー│『屍者の帝国 (河出文庫)』

伊藤計劃氏が遺されたブログ、作品に目を通してきましたが、氏の思想や精神がここにはあります。実装が円城塔氏によるものではないか?プロローグは伊藤計劃氏、エピローグは円城塔氏?などと勝手に思いを馳せながら、これから円城塔氏の作品を読んでみたいと思います。



伊藤計劃のおすすめ作品・書籍『屍者の帝国 (河出文庫)』を読みたい方はこちら↓
5位. 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍│『メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)』
伊藤計劃のおすすめ作品・書籍レビュー│『メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)』

シリーズ4作目にあたるゲームのノベライゼーションということですが、それまでのストーリー、主要キャラクターたちの位置づけや関係性もよくわかる構成になっています。
先述の通りゲームの方はほぼ未経験なので小説のゲームへの忠実性がどの程度かはわかりませんが、伊藤計劃さん自身はあとがきで「世界観やキャラクターをお借りして、「自分自身」を主張する気はまったくありませんでした。」と書いています。
それでも、この作品の面白さはメタルギアシリーズに心酔する伊藤さんがゲームの“行間”とでも言うべきものを自らの想いを込めて物語として挿入したからこそ成り立っているのだと思います。
ゲームをしていると、その世界観に浸りながらもステージをクリアすることに集中しがちですが、小説という形で接することにより生への希求、平和への希求といったテーマ性がわかりやすく、そしてより深く伝わってくるように感じました。

メタルギアはプレイしたことあるけどストーリーがいまいち整理できない人は読んでみるとより理解が深まって楽しいと思います。

ノベライズは伊藤計劃がゲームのストーリーを過不足なく表現している。

著者の厭世観とも生への執着ともとれる独特の文体で綴られる静の部分と、緊迫感に満ちた動の部分が見事に調和している。
伊藤計劃のおすすめ作品・書籍『メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)』を読みたい方はこちら↓
『メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)』を読む
6位. 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍│『伊藤計劃トリビュート (ハヤカワ文庫JA)』
伊藤計劃のおすすめ作品・書籍レビュー│『伊藤計劃トリビュート (ハヤカワ文庫JA)』

70を超える国々で仕事をして、何万人を知った今、この本をきっかけに、SFに戻って、さらに深い楽しみ方を日々発見して行こうと思いました。あと20年はいけそうです。

しかし伊藤計劃さんの遺作を踏襲し、さらに発展させたという意味では、伴名練さんの「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」がもっともトリビュートの名に相応しかったと感じました。
読み応えのあるページ数で、最後まで飽きることなく読むことができたので、買ってよかったです。

しかしながら読めば読むほどに伊藤計劃という作家の不在による穴の大きさを意識せざるを得ない。
どの短編も伊藤計劃に真っ向から立ち向かっていない感を受ける。
伊藤計劃という圧倒的な絶望の周辺に絶望を描こうとしている印象を受け、彼の不在を嘆かずにはいられない。

ここでは伴名練の「フランケンシュタイン三原則、もしくは屍者の簒奪」について。
これは「屍者の帝国」のオマージュの体を装ってはいるものの、想起させる部分は「ザ・ワン」「屍者」くらいで、内容は全く異なる。
その実、この作品は「ハーモニー」へのトリビュートであり、かつ、あの作品を読んだ方々が抱いたであろう
「WatchMeをインストールしていない子供は意識が消失していないのでは?」
という疑問そのものを題材として扱った作品だ。
もし、「ハーモニー」が前述の疑問点でもって「設定が甘い」と感じている方がいるのならば、
この「フランケンシュタイン三原則、もしくは屍者の簒奪」だけでも読んでみることをお勧めする。
伊藤計劃のおすすめ作品・書籍『伊藤計劃トリビュート (ハヤカワ文庫JA)』を読みたい方はこちら↓
7位. 伊藤計劃のおすすめ作品・書籍│『伊藤計劃記録 I (ハヤカワ文庫JA)』
伊藤計劃のおすすめ作品・書籍『伊藤計劃記録 I (ハヤカワ文庫JA)』を読みたい方はこちら↓
伊藤計劃のおすすめ作品・書籍ランキング│まとめ

『伊藤計劃のおすすめ作品・書籍ランキング』いかがでしたでしょうか?
ぜひ、気になった伊藤計劃の作品・書籍を読んで、あなたの実生活に役立ててみてくださいね!
