【2023年】宮本輝のおすすめ作品・書籍ランキング7冊!年400冊読む書評ブロガーが紹介!

こんちわ、柿田ぴんとです!

今回は、宮本輝のおすすめ作品・書籍ランキング7冊を紹介していきます!

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1位. おすすめ作品・書籍│『道頓堀川』宮本輝

【作品・書籍の内容】
両親を亡くし、就職は決まらず、生活のために道頓堀ばたの喫茶店で働きはじめた大学生の邦彦。マスターの竹内は実は一筋縄ではいかない人生を送ってきていた。「辛い悲しいことが起こっても、いっこうにへこたれんと生きていけることが、しあわせやと思いますねェ。」武内の痺れるキューさばきも必聴です。

『道頓堀川』の詳細内容はこちら

おすすめ作品・書籍レビュー│『道頓堀川』宮本輝

 
レビュー
戦後から昭和中期の大阪を舞台にした、喫茶店に住みこみで働く大学生を主人公にした青春小説。道頓堀川の緩やかな、そして、汚染された流れに乗るように現れる周囲の人たちとの交流を描く。

食べるのに必死だったこの時代の人々がもつ、生来の消すことのできない猥雑さとともに、どの人も持つ心の中にあるひときわ美しい純粋さが印象に残った。

宮本輝の小説は、読後、ひとことで言い表せない感慨に浸ることが多いが、この小説は一段とその思いが強い。一人一人の登場人物がどうこうではなく、すべての登場人物をパッケージとして、人間とは何かを語るような小説だろう。

レビュー
宮本輝は、小説の真の力を知っている作家の一人であると思う。それは、物語の虚構性。彼は、常に物語の虚構性を第一とした作品を書いているのだと思う。この作品に関しても、大阪の繁華街という周縁を描いている。其のことにより、中心世界を際立たせることにも成功していると思う。作中に出てくる色彩、そして多くの登場人物とビリヤードとの相関性、作者があらゆる方法を用いてこの作品を書いているのではないだろうか。物語のないようをたどる読み方も楽しいが、この作者の作品を読むときにはどのような方法が作中に用いられているか、意識しながら読むのいいだろうと思う。
 

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おすすめ作品・書籍│『道頓堀川』

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2位. おすすめ作品・書籍│『幻の光』宮本輝

【作品・書籍の内容】
夫が自殺し、息子とともに残されたゆみ子。夫の思い出が残る尼崎からはなれるべく、再婚話を受け、奥能登の民雄のもとに嫁ぐ。平穏な日々の中、しかしゆみ子は亡き前夫に語りかけることをやめられない・・・ 理解することもできない喪失にみまわれた人間の軌跡。

『幻の光』の詳細内容はこちら

おすすめ作品・書籍レビュー│『幻の光』宮本輝

レビュー
宮本輝のマスターピースの一作である。

話自体は大した話ではない。主人公の夫は 主人公と子供を残して 突然自殺してしまう。主人公はぼう然とした日々を大阪ですごす。やがてやってくる新しい再婚の相手は 能登半島の男やもめである。主人公は嫁いで行く。日本海の荒れた海を見ながら 主人公は しかし相変わらずぼう然としている。

全編を「死」が覆っている。日本海の荒涼とした風景に宮本は「死」を混ぜ合わせて なんとも表現できないような風景画を描き出している。生きる力を喪うことに魅かれつつある主人公を脇から支える女漁師等のたくましい女性像もたくみに描かれている。読んでいて最後に見えて来る明るさは 「錦繍」にも共通するかと思う。

地味な話ながら熱狂的なファンがいると聞く。そうだろうなと思う。「死」に見入られながらも引き返してきた人には特に魅力的な一作なのではないかと思う次第。

レビュー
こんなに寂しいのに、こんなに懐かしいのは何故だろう。自分と幼い子供を残して自殺してしまった夫にとつとつと思い出やら今のことやらを語り続ける。残された者の哀しさだろうか。話したい、愛したい、見つめていたい相手が今はいない。どうして、どうして?と問い詰めたいのに。断ち切れない思い。もうこの世にいない人に話しかけずにはいられない寂しさ。心が届かない哀しさ。それは再び嫁いだ日本海の暗い海にも似ている。深く、暗く、永久に打ち寄せる波、波、波・・・。
心が千切れるほど哀しい本なのに、手放せない。

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テキストをフラットに聴くことにより、文章や論理の構造まできれいに頭に入るので、本がまるごと頭の中に入るような喜びが体感できます。

それによって話すことがうまくなり、言葉も出てきやすくなるので、本を耳で聴くのはおすすめですよ。

引用:なぜDaiGoは「目より耳」で本を読むのか

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おすすめ作品・書籍│『幻の光』

3位. おすすめ作品・書籍│『錦繍』宮本輝

【作品・書籍の内容】
「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした」運命的な事件ゆえ愛しながらも離婚した二人が、紅葉に染まる蔵王で十年の歳月を隔て再会した。そして、女は男に宛てて一通の手紙を書き綴る――。往復書簡が、それぞれの孤独を生きてきた男女の過去を埋め織りなす、愛と再生のロマン。

『錦繍』の詳細内容はこちら

おすすめ作品・書籍レビュー│『錦繍』宮本輝

レビュー
 誰しも、別れたあの人にもし長い歳月の後に再会したら…、と思うときがあるだろう。そのことを思いながら、読み進めるのは、心に痛みを伴う。
 しかしこの小説に登場する主人公二人は、時を経たお互いを今一度見つめなおして、そしてまた新たに分かれ道を歩んでいく。その分かれ道をゆくそれぞれにとって、かつて共にした時間は、もう振り返ってばかりの過去ではない。それはいまや、生きる支えとすべき記憶に姿を変えている。
 そういう一歩前に踏み出す二人の姿が清々しい一作だ。
レビュー
宮本輝の作品は大好きだ。なぜか売れている人気作家にありがちな意味のない不快な性描写もなく、もっと深い精神的な部分での人の絆を淡々と描写していて快い。いつも内容が深く、良い書を読んだ心地よい余韻にひたることができる。
またこの書では、自分達夫婦が離婚にいたった原因である元夫の行動や心理の細部までは把握していない元妻が、次の結婚で障害持った子供を産み、そして元夫に手紙で自分のことを語りながら、知らずにいた事を問い掛ける。
何度もの往復書簡を通して全てを明らかにした上で、二人は新たな人生に向かって本当の意味で顔をあげ、歩き始めるのである。
書簡形式の小説は苦手であったが、するりと話の内容に入り込めた。
まだまだ読みたい作家である。

宮本輝のおすすめ作品・書籍錦繍(宮本輝)を読みたい方はこちら↓

『錦繍』を読む

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4位. おすすめ作品・書籍│『草原の椅子(上) (幻冬舎文庫)』宮本輝

【作品・書籍の内容】
2013年2月映画化作品。遠間憲太郎は長年連れ添った妻とも離婚し、五十歳になりさらに満たされぬ人生への思いを募らせていた。富樫重蔵は大不況に悪戦苦闘する経営者だが、愛人に灯油を浴びせられるという事件を発端に、それを助けた憲太郎と親友の契りを結ぶ。真摯に生きてきたつもりのふたりだが……。人間の使命とは? 答えを求めるふたりが始めた鮮やかな大冒険。

『草原の椅子(上) (幻冬舎文庫)』の詳細内容はこちら

おすすめ作品・書籍レビュー│『草原の椅子(上) (幻冬舎文庫)』宮本輝

レビュー
この本の一筋がとても印象的でした。わたしたちは、いつでも草原の中にいる、という言葉。駅の雑踏の中にいても、人混みを歩いていても、ビルに囲まれていても、いつでも自分の草原の中にいて、そこで自分だけの椅子に腰を掛けて休むことができる・・・。本当に、そう思いました。しして、自分の大切な人達のことを思い浮かべ、わたしはいつでもここに居る、と改めて思いました。ここで皆のことを思い、祈っている、と。
 
レビュー
読書からしばらく離れていた時期に人から薦められ読みました。宮本輝さんの作品にまたはまりだすきっかけとなった1冊でした。
題名からストーリーを想像することはできませんでしたが、読み終えたあと、宮本輝さんはなんて素敵なタイトルをつけられたのだろう、と思いました。主人公の憲太郎より、その友人である富樫の言葉や生きざまに大いに共感しました。
小さな存在だっていい、傷つこうが失敗しようが、ひたむきに生きていけばいいんだ、と勇気を与えられました。「月光の東」、「優駿」、「錦秋」などの宮本さんの名作と並び大好きな作品です。
 

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おすすめ作品・書籍│『草原の椅子(上) (幻冬舎文庫)』

5位. おすすめ作品・書籍│『螢川』宮本輝

【作品・書籍の内容】
立山連峰を望む北陸・富山市。少年の出会いと別れをいたち川のはるか上流に降るという蛍の大群の絢爛たる乱舞がつつむ・・・ 思春期のこころを妖かに、抒情的に、哀切に、描く。 第78回 芥川龍之介賞受賞

『螢川』の詳細内容はこちら

おすすめ作品・書籍レビュー│『螢川』宮本輝

レビュー
最後が圧巻。言葉だけでこんな世界が描写できるとは信じられないほど美しい世界が目の前に広がってきます。

「プロは違う」ことを感じさせてくれる小説。

レビュー
二編共にノスタルジックな雰囲気が漂っていて、悲しい物語。
読み終わった後には、自分の幼少期の切ない気持ちを思い出させた。
 

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おすすめ作品・書籍│『螢川』

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6位. おすすめ作品・書籍│『流転の海―第一部― (新潮文庫)』宮本輝

【作品・書籍の内容】
大阪の焼跡闇市から実業家としての再起をはかる松坂熊吾。豪胆にして理不尽、強さと弱さを併せもつ明治生まれの男が、50歳で初めて子を授かった。事業の再建に奮闘する一方、わが子が成人するまでは死なぬと心に決め、人生における使命とまで自覚する…。混沌の時代を裸一貫で生きる個性豊かな男たちと、寄り添う女たちの、人生の有為転変を雄勁な筆で描く。

『流転の海―第一部― (新潮文庫)』の詳細内容はこちら

おすすめ作品・書籍レビュー│『流転の海―第一部― (新潮文庫)』宮本輝

レビュー
まず登場人物のキャラクターがとってもくっきりとしています。主人公の松坂熊吾が非常に魅力的です。恐らく脇役であろうその他の人々が熊吾と触れ合う時間は非常に短いものですが、それ自体がショートストーリーのようになっていて、しかも未来への連関性(この人また出てくるな!という予感)を感じさせます。根幹となる物語が非常に壮大で、「いったいどうなるんだろう?」と思いながらお話に一回幕が引かれます。現在4部まで出ているようですが、私も早く2部を読みたい気持ちでいっぱいです。決して短くないですが、恐らく読むのにそんなに時間はかかりません(非常にリズムのいい書き方です)オススメの一冊です。
レビュー
宮本輝、渾身の大河小説の第一部をさきほど読み終えた。冒頭、熊吾が大阪駅のプラットフォームに佇んでいる場面から、胸ぐらをつかまれたように豊穣な物語の世界に没入していくことになった。だいたいにおいてぼくの場合はスロースターターのきらいがあって、徐々にその小説が持っているリズムに感応していき集中力が増しペースも速まる。それでは何がほかの小説と異なるのか? 図抜けたほどの圧倒的な伸仁の父親、熊吾の存在感である。鋭い眼力がありながら、いろんな人たちに裏切られ、途方もないやさしさに満ち溢れながら、傍若無人のふるまいをする。相矛盾する人間が持っているあらゆる要素を結晶化させて持っている人物なのである。破天荒なほどすごいではないか! このジャイアントな父親に翻弄されるように読者ははやる気持ちを押さえながら、興奮にふるえる指先でページを次から次に捲っていくことになるのだ。 
 

宮本輝のおすすめ作品・書籍流転の海―第一部― (新潮文庫)(宮本輝)を読みたい方はこちら↓

『流転の海―第一部― (新潮文庫)』を読む

7位. おすすめ作品・書籍│『慈雨の音―流転の海 第六部―(新潮文庫)』宮本輝

【作品・書籍の内容】
昭和34年、中学生になったものの、あいかわらず病弱な伸仁の身を案じていた松坂熊吾だが、駐車場の管理人を続けながら、勝負の機会を窺っていた。ヨネの散骨、香根の死、雛鳩の伝染病、北への帰還事業、そして海老原の死。幾つもの別離が一家に押し寄せる。翌夏、伸仁は変声期に入り、熊吾は中古車販売店の開業をついに果たすが──。「生」への厳粛な祈りに満ちた感動の第六部。

『慈雨の音―流転の海 第六部―(新潮文庫)』の詳細内容はこちら

おすすめ作品・書籍レビュー│『慈雨の音―流転の海 第六部―(新潮文庫)』宮本輝

レビュー
待ちに待った第六部読了。

任侠映画を観た直後の男性が肩で風を切って歩いてしまうように、第六部を読み終わった私はまるで熊吾のごとく堂々と大股で歩き、少々のことなら笑い飛ばしてしまえる。

流転の海シリーズを読んだ後はいつもこうだ。
自分まで、豪快な人間になった気持ちになる。深刻な場面に陥っても、ちょっと思考を変え、粋な表現を使って陽気に振る舞おうとする。
不思議だ。

今回は、今までにずっと感じきた(そして好きだった)松坂熊吾のなんとも言えない『男の色気』を感じることがほとんどなかった。少々残念…。

しかし、シリーズがすすむうちに人の親となった私には、親としての心持ちが随所に散りばめられた今作にはまた色々と教えられた。

もちろん、次の展開が気になりはするが、それよりも、これまでの熊吾の人生を改めてなぞらえたい気持ちの方が大きく、今、また流転の海シリーズを第一部から読み返している。

 

宮本輝のおすすめ作品・書籍慈雨の音―流転の海 第六部―(新潮文庫)(宮本輝)を読みたい方はこちら↓

『慈雨の音―流転の海 第六部―(新潮文庫)』を読む

宮本輝のおすすめ作品・書籍ランキング│まとめ

『宮本輝のおすすめ作品・書籍ランキング7冊』いかがでしたか?

ぜひ、気になった宮本輝の作品・書籍を読んで、あなたの人生に役立ててみてくださいね!

ぴんと
さいごまで読んでいただき、ありがとうございました!
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