【2023年】千夜一夜物語のおすすめ作品・書籍ランキング７冊！年４００冊読む書評ブロガーが紹介！

エンドレスで興味深い話が続くので止め時が見つかりにくいので困ってますw

超オススメですので★5個です

話のテンポは非常に変化に富んでおり、登場人物の会話の中で語られる物語がそのまま、更なる
物語へと続いていったり、会話と詩が入り混じることが多いので、1回読んだだけでは、まず
真髄を味わうことは無理だと言えます。2回、3回と読み込んで初めて心の糧となる作品と思います。

和洋問わず、古典文学を味わいたい方にはお勧めです。
11巻セットで買うと、ハードケースもついてきます。なかなか洒落た挿絵の箱なので、是非セットで!!

まずはシャハラザードが、千一夜にわたって王に夜伽話をきかせるきっかけとなったプロローグからはじまる。毎晩命がかかっていたので、毎回どこで話を終わらせるかは最大の課題だったのでは？　と思いながら一夜一夜をたどるのも楽しい。

話の中にまた小話がはいり、とまさにアラベスク状態。表現が豊かなので情景が目に浮かぶようだし、ジンや魔法使いが当然のように出てきて幻想の世界にいざなう。子供向けではない表現も結構出てきますが、ハレムの国だもんね。ただところどころ挿入される詩は、よく読んでもわけわかんないことが。流してストーリーだけを追っていました。

読んで思ったのは命の軽さ。王様はちょっとでも気に入らないと大臣だろうが妃だろうがあっさり殺してしまうし、死刑を宣告していながらもおもしろい話と引き換えに許してしまったりする。御伽噺だから？で済めばいいけど…

語られる物語の中でも物語が語られ、さらにその中でも…まるでマトリョーシカのように次々と繰り出される物語。

また、ファンタジー一代スペクタクルから恋愛物、おもしろくない話もあったり、面白い(但し、文化とツボが違い過ぎて理解できない)話と、様々なジャンルの物語がある。

自分の無知と文化の違いで、わからないことも多々あるが、それを無視して読める自分のような人は楽しめる。
理解できないアラビアンナイトの世界観をより深く知りたいという欲求も沸いてくる。

それだけでなく、わくわくしたり、いろんな意味で興奮させられたり、哀れを催したり、ありえね、と笑ったり、夢うつつのようなお伽噺、そう、難しい小説とかでなく、こころを動かされる純粋なお伽噺があれば、それでよかったのです。

バートンはレインのまる写しとか、言われてますが、なんだか異常に詳細な注釈とか、イスラム人を始めとして東洋社会を、彼が代表する西洋社会がどう見ていたかもうかがい知れて、興味深いです。
しかし思春期にこれ読んでたら人生が、いろんな意味で変わっていたかもしれない、かも。。

ツンデレ？シャーリヤル王は、まだ目だった発言はしてませんが、巻が進むにつれての、その変わり様も見所です。